【片付けたもの】10円玉
大量に溜め込んでいた10円玉を片付けた。
この10円玉は、祖父がビニール袋にたくさんの小銭を残していたうちの一部である。
いつもポケットにじゃらじゃらと小銭を入れていた祖父。
きっとその小銭を孫の私達にあげようと取っておいてくれたものだと思う。
祖父が亡くなった後、たくさんの、本当にたくさんの小銭が入ったビニール袋が何袋も残っていた。
それらはまとめて母が銀行に持って行き口座にいれた。
それを少しずつみんなで山分けした記憶がある。
その銀行に持って行く前の小銭の袋から、どうしてか私は10円玉だけ大量に貰ったのだ。
試しにいくらあるか数えてみた。
3100円もあった。
10円玉310枚だ。
これを自分の銀行口座へ移してきた。
口座に移す前、ふと閃いてすべての10円玉をまとめて磨いた。
磨いたと言っても、漬け置き洗いなのだが。
キラキラの硬貨が手元に来たとき、私はちょっと嬉しい気持ちになる。
それを誰かの元で再現したくてやってみたのだ。
本当の新しい硬貨ほどの輝きにはならなかったが、ある程度輝きが戻った。
完全に自己満足だ。
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310枚の10円玉を見つめていた時、ある事に気が付いた。
中には元からキラキラの10円玉も多数あったのだ。
その10円玉はすべて平成13年のモノだった。
それ以降の硬貨は見当たらない。
祖父が生きていた時間を感じた。
同時に、祖父の愛情も感じた。
私も、貴方の様に愛に溢れた人間になれますように。